2013年10月9日水曜日

エアマットの注意点

エアーマットレスは電気によって作動しますが、まずは ここが最も重要です。病院や介護施設では、患者の移動が 付き物です。その際使っていたエアーマットレスの電源は 切られることがほとんどです。ベッドにエアーマットレス を設置しベッドメイキングをしますが、この後、電源を入 れ忘れる例がかなり多いのです。30分程度で気が付けば よいのですが、数時間以上気付かれない事もあります。予防的に使っている場合、電源入れ忘れが原因で褥創 が発症することも少なくないようです。
もちろん褥創の治 療を行っている場合は、せっかく治ってきた肉芽組織の中 に再び黒色の壊死ができたりといった影響がみられます。 次に圧設定の間違いがけっこうみられます。最近のものでは設定圧を体重で合わせる形式のものが出てきて圧調節 をすることが習慣化していますが、以前のものでは最大値、あるいは最低値で使用されている、あるいは全く設定 を気にせず偶然に任せてあるものなどがみられました。も う一つ停電時には、停電以前の設定に戻らないものがほと んどで、電源を切った後や停電のあとでは必ず設定をやり 直す必要があります。 電源は入っており、設定も基準通りに合わせてあっても エアーマットレスでは思わぬトラブルがあります。一つは チューブトラブルです。圧切り替え型のエアーマットレス で処置中ずっと同じエアー枕が虚脱していることがありおかしいと点検すると、チューブが器械から外れていたり、 ベッドの枠のところで屈曲していたり、あるいは空気枕に穴が開いていたりといろいろなトラブルがあります。この ようなトラブルでは空気圧が足りないとは気付かれており、圧が最大設定になっていることがほとんどです。ひどい時は1週間以上気付かれない事があります。当然体は底付きしており、褥創のある患者ではどのような処置をして も、治療に抵抗して悪化します。 もう一つは、残念なことに器械の故障もけっこうみられ る事です。考えてみれば空気を吸って吐き出す器械が、一 般的にベッドの下などのホコリの多い所に設置され、24 時間365日働き続けるのです。フィルターの詰まりはすぐに起こるし、そもそも器械の故障で圧がおかしくなって も何の不思議もありません。しかし突然器械が止まること はほとんど無く、圧が高くなるものが多く、時に圧が出なくなるものも見かけます。少なくとも5年経ったものは故障していると考えたほうがよいでしょう。買い替えを考え るべきだと思います。業者に頼んで定期的な点検も忘れてはいけません。個人的な経験としては、新品の初期不良で 高圧になっていたものを経験しています。この例では褥創 の治りが悪く、原因はエアーマットレスの故障でした。エアーマットレスを交換するとあっという間に治癒に向かいました。 エアーマットレスを使う場合は、患者のところへ行く時 いつもエアーマットレスを押してみて、正常な圧になって いることを確かめる習慣が必要です。また、目盛に頼らず手動でエアーの圧を適正に調節する方法も知っておきましょう。

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