2013年10月2日水曜日

体圧分散マットレス 種類

体圧分散用具とは、床ずれを起こしやすい箇所への圧 迫を減らし、 床ずれを起こしてしまった場合の圧力をコントロール する為に使います。

日常生活がどれくらいできているかなど、可能な動作 に合ったものを選び、 適切な体位変換とポジショニングを行うことを目的と しています。

床ずれは、長時間同じ体制のまま寝ていると局所が圧 迫され床ずれを起こしてしまいます。 その長時間の圧力を減らし、局所に加わる圧力を分散 することで予防ができます。

また、沈める・包む・圧のかかる位置をずらしていく ことで、 一点にかかる圧を低くすることがポイントです。

体圧分散用具は、床ずれ防止の為に使うことがほとん どで、 患者さんの状態によって使う用具を変えていきます。

体圧分散用具を選ぶ際に基準となることが3つありま す。

それは、患者さんが

①自分で身体の位置を変えることができるか ②骨の突出があるか ③45度以上頭を挙げた状態にしているか

ということがポイントとなります。

自分で身体の位置を変えることができるか、できない かで、体圧分散用具の素材を選びます。

自力で位置を変えることができる場合は、ウレタン フォームなどの身体の動きを 阻害しない素材を選び、自力では困難な場合には、体 圧分散機能に優れ、 体圧調整ができるエアやウォーターなどの素材を選び ます。

また、自力で身体の位置も変えられず骨の突出がある 場合は、 低圧状態が保てる2層式エアセルマットレスなどを選 びます。

45度以上頭を挙げた状態にしているか、していないか では、体圧分散用具の厚みが決まります。

骨の突出の有無にかかわらず、上に挙げていないなら 上敷、 上に挙げているのなら交換または2層式タイプを選択 します。

体圧分散用具を使っていても、患者さん自身で身体の 位置を変えられない場合は、 2時間ごとに身体の位置を変えてあげなければなりま せん。

ベッド・マットレス・素材は使用方法によって分けら れています。

初めに、ベッド・マットレスについて説明します。

①特殊ベッド…ベッドとマットレスが一体化した体圧 分散機能を備えた寝具です。 コンピュータ制御によって体位を変えたり除圧ができ る。

②交換マットレス…普段使っているベッドフレームに 直接敷いて使うことができます。 マットレスの中では、体圧分散機能が最も高いが、厚 みが15㎝以上ある為、患者さんが端に 座ってしまうと不安定になりやすので注意が必要で す。

③上敷きマットレス…普段使っているマットレスの上 に敷いて使用します。 重ねるだけで使えるので、大変便利です。 値段も安く、低圧保持機能があるものもあるが、上敷 きマットレスが減圧できるのは、 ベッドアップが30度以下の場合に限るので、使用時に チェックが必要です。

④リバーシブルマットレス…片面が体圧分散マットレ スとして使用することができます。 患者さんの状態や予防する為に二面を使い分けること ができます。 圧分散面が7㎝ほどの為、減圧できるのはベッドアッ プ30度以下に限る。

次に、素材からみた分類についてです。

①エア…空気で構成され、マット内圧を調整すること ができます。 患者さんの状態に応じた体圧調整ができることが特徴 です。

ただし、安定感が得にくく、鋭利なもので壊れやすい こともあり、 付属ポンプの騒音と定期的な保守点検が必要です。管 理にも手間がかかります。

②ウォーター…水の量を調整することで、患者さんの 状態に合わせた体圧調整ができます。 ベッドアップした時もズレが少ないので、ズレによる 床ずれ防止にもなります。

水温管理が必要で、水の重量でマットレス自体が重い ことから、 介護者の負担増になりやすいこともあります。

③ウレタンフォーム…ポリウレタンに発泡剤を入れた ものでできています。 体圧分散効果があることからポジショニング用具の素 材としても使われています。

低反発のものほど圧分散効果がありますが、身体が深 く沈みすぎて自力で 体位を変えにくいことがあります。 あまり自力で体位を変えられない患者さんは、特に注 意が必要です。

④ゲル/ゴム…ゲル・ゴムによって構成されている マットレスです。 耐久性・耐熱性・耐薬品性が高く、表面の汚れを拭取 ることができ比較的管理が楽に行えます。

底付きを起こしにくいことから、ズレ力の吸収力も高 く臀部(お尻)への 床ずれリスクが軽減されるメリットがあります。

マットレスの表面温度が低いので、気温・室温に応じ た体温維持管理が必要です。

⑤ハイブリッド…2種類以上の素材を使って構成され ているマットレスです。 現在は、ウレタンフォームとエア/ゲルなどが組み合 わされたものもあります。

上記のように様々な種類のベッドや素材があるよう に、患者さんの状態も一人一人違います。

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